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No 727
Date 2007・12・28・Fri
【本】『星新一 一〇〇一話をつくった人』最相葉月、新潮社、2007年星新一の『明治の人物誌』がおもしろかったので、評判の本書も読んでみた。
おもしろかった。期待通り。 昭和の歴史と植民地台湾・満洲のかかわりと、製薬会社の星の父。ワンマンな父の死後、若くして重荷を背負った長男がそこからSFやショート・ショートへ逃げていった過程。星新一自身が膨大な史料を残しているのもあるし、作者の聞き取りの労力もあるし。もちろん、読ませる文章だし、部分的には荒削りなのもまた魅力。 星新一が明治の人物を描くことで父親を描いた『明治の人物誌』になぞらえて、最相は星新一を描くことで昭和って時代を描きたかったのか・・・と思えるほど、ときどき星新一から外れた部分も丁寧に追ったりして。でも、彼女はやっぱり星新一を書きたかっただけなのだろう。 Amazonのレビューに辛口の「彼女の作品はいつも自分プロデュース」云々とあるように、文章にアクがありすぎて、彼女のノンフィクションは描かれている人物が前面に出てくる物語にはならない。そこが魅力でもあるけれど、同時に欠点でもある。ネットのあちこちの感想見ても、褒めてる人たちがこぞって「労作」って言ってるのがその証拠。描かれた人ではなく、著者をすごいっていってしまうんだから。 星新一という、「世の中要約できないものは何もない」と言い切ってしまえる才能と欠点を持った作家の物語としては、今一、物足りなかった。でも星新一と彼の生きた時代を荒削りにまとめたノンフィクションとしておもしろかった。
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初出は、 『明治の人物誌』新潮社、1978年。
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2007-12-28 Fri 16:13 子供と一緒にお仕事の日々
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